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日本のファンダメンタルズ分析の基本

ファンダメンタルズ分析は相場を分析するうえで最も大切なことです。FX投資家(トレーダー)が注目すべき日本の経済指標、株式市場や債券・為替市場との関連について解説しています。

Article By forex.com
2024年1月20日 午後14:28

目次

ファンダメンタルズ分析は、経済活動等の状況を示す基礎的な要因をもとに分析することです。 例えば、一国経済を分析する際の基礎的条件は、経済成長率、物価上昇率、失業率、財政収支の赤字(黒字)率、経常収支の赤字・黒字額などの指標を使います。また、広義の意味において政治状況や地政学的分析も含めることもあります。
投資家が日本の経済状況について基本的な理解を深めたら、さまざまな情報源についてさらに学ぶことが可能です。

内閣府

内閣府は、GDPの推計値や景況・設備投資に関する調査など、様々な報告を行っています。また、内閣府には4つの重要会議があり、情報収集や内閣総理大臣への政策提言を行っています。

経済産業省

経済産業省は、様々な政策分野を担当するほか、幅広い経済活動に関する報告書を公表しています。国内の経済状況について詳細なデューデリジェンスを行うことに関心のあるトレーダーは、同省のウェブサイトにアクセスし、鉱工業生産、商業動態統計、不動産、卸売業、小売業などの第三次産業の透明性を提供する指標に関する情報を入手することができます。

財務省

貿易統計、国際収支、対外証券投資など為替取引を行ううえで重要な経済統計を発表しています。

日本銀行

マネーストック、マネタリーサーベイなどの通貨関連統計、金融市場統計、金融機関の資産・負債状況、資金循環統計、決済関連統計、短観、物価関連統計(企業物価)、国際収支統計、地域経済報告など重要な各種統計を発表しています。時系列データは以下のサイトから取得が可能です。 主要統計データ閲覧: https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html

経済協力開発機構(OECD)

OECDのリソースにアクセスすることで、投資家は総人口、GDP、失業率などの数値を含む日本に関する豊富な情報を得ることができます。同機関はまた、GDPに占める政府債務の割合、可処分所得に占める家計債務の割合、家計の可処分所得に関する包括的な情報など、より詳細な指標も提供しています。

世界銀行

この国際金融機関は、OECDのような組織が提供する情報とは異なる情報を提供しています。世界の貧困を緩和するために活動している世界銀行を通じて、投資家は平均寿命や一人当たり国民総所得に関するデータにアクセスすることができます。

GDP

GDPは経済の強さを測る基準となる指標であり、投資家はこれを用いて国の生産高が伸びているのか、それとも悪化しているのかを素早く把握することができます。日本は中国に追い抜かれ、世界第3位の経済大国となっています。
GDPは、住民によって生み出されたすべての財とサービスの最終的な市場価値として定義されます。この経済生産のベンチマーク指標を計算するために、アナリストは消費、投資、政府支出、純輸出を加えることができます。
*注意点 国の力を評価する際にGDPを利用する場合、いくつかの重要な考慮点に注意する必要があります。まず、GDPには名目GDPと実質GDPがあります。名目GDPはインフレ調整されていないが、実質GDPは物価水準の上昇を考慮するように変更されています。インフレ率がマイナスではなくプラスの経済では、実質GDPは名目GDPより低くなります。実質GDPは物価水準が時間とともにどのように変化するかを考慮した数値であるため、2つの異なる時期の国の経済規模を比較することに関心のある投資家は、実質GDPで比較することが有益です。

一人当たりGDP

一人当たりGDPを利用することで、日本国民が享受している生活水準を把握することができます。さらに重要なことは、この指標を使うことで、日本国民がどれだけの可処分所得を持っているかをより強く知ることができることです。一人当たりGDPは、単純にGDPを国の人口で割れば算出できます。

インフレ率

インフレ率は、日本経済と日本通貨を評価する際の重要な経済指標です。物価水準の上昇に関する公式な数値は、総務省のウェブサイトを参照することができます。アジア第2位の経済大国である日本のインフレ率は長年比較的低く、ほとんどの月で0.5%以下となっていました。日本銀行の金融政策において、インフレ率は非常に重要な経済指標で、金融政策のターゲットとしてインフレ率を年率2%としています。
長年、日本は消費者物価が実際に下落するデフレに何度か見舞われています。2013年のアベノミクス以降、日銀の金融政策の基本方針は、インフレ率を2%に引き上げると約束しています。その後、日本銀行は金融緩和を続けています。コロナ禍以降の相次ぐ値上げでインフレ率が上昇して2%を超えても日銀は金融緩和を続けています。インフレ率の動向は日本の経済指標のなかでも最も大切かもしれません。日本銀行の金融政策を占ううえでも、注目すべき経済指標です。

労働市場指標

日本の労働市場指標に関する情報は、総務省統計局など、いくつかの機関から入手することができます。
●失業率 日本の失業率に関する情報を収集するために、総務省のデータを利用することができます。この失業率は、積極的に求職活動をしている労働力人口の割合を示しています。1953年から2015年の間、この率は平均2.72%で、1968年11月の1%が過去最低、2009年7月の5.6%が過去最高でした。
●労働力率 労働力率とは、その国の生産年齢人口のうち、現在職に就いているか、職を探しているかに関わらず、労働に参加している人口の割合となっています。この指標を失業率と組み合わせることで、投資家は日本の労働市場をより強く認識することができます。日本では、完全失業者数と完全失業率も公表されています。 ※日本でも、就業者数は発表されていますが、あまり注目されていません。

マネーサプライ

FX取引を行っている投資家のなかには、マネーサプライに注目するFXトレーダーも存在します。例えば、米国のマネーサプライが横ばいか減少している間に、日本のマネーサプライが大幅に拡大すれば、米ドル高円安を引き起こす可能性があります。対照的に、米国のマネーサプライが拡大する一方で、日本のマネーサプライが一定期間横ばいの場合、この展開はグリーンバック対円の下落圧力をもたらす可能性があります。
日本のマネーサプライについて詳しく知りたい場合は、日銀のウェブサイトを参照するといいでしょう。日銀はマネーサプライの指標であるM1、M2、M3を報告しています。
参考:日本銀行の量的金融緩和策 経済状況を改善するために、日銀は2013年に量的緩和策を発表し、日本のマネタリーベースを2012年末の138兆円から2013年末には200兆円、2014年末には270兆円まで増やすことを目指しました。このイニシアチブは債券購入を通じてマネーサプライを強化することを目的としており、日銀はこのイニシアチブが需要を刺激し賃金上昇を促進するのに役立つ一方で、物価水準に上昇圧力をかけるのに役立つことを期待していました。
日銀は以降、長期金利を低く抑えるイールドカーブ・コントロール(YCC)を導入しました。これまで、10年物日本国債の金利を0.5%以下に抑えるという方針を取ってきましたが、2023年になってこの上限を上げ始めました。
現在は10年物日本国金利の上限は0.75%とされ、、次の動きに注目が集まっていいます。YCCの廃止となるのか、それとも同時にゼロ金利政策の放棄も同時に進めるのかが現時点の注目点です。
日本銀行はまた、上場投資信託と不動産投資信託の購入を行ってきました。このプログラムでは、日銀はこれらの金融商品を年間3兆円規模で購入してきました。中央銀行が株式というリスクのある金融商品(REITも購入対象)を購入するということは前代未聞の政策であるといえるでしょう。
2015年、日銀はQEの最新の調整を発表し、「イールドカーブ全体の金利のスムーズな低下を促す」目的で、平均残存期間が7年から12年の債券を購入することを明らかにしました。世界の投資家は、日銀の政策更新を常に把握することで、他の通貨に対する円の価値に影響を与える可能性を把握しています。

日銀短観

日本銀行が年4回実施する景況感調査です。この調査には数千の企業が参加し、-100から100の間の数値が得られています。この報告書は、個々の業種が抱いている見通しに関する詳細な情報を提供することができます。業況判断として、様々な業種ごとに景況感指数として発表されます。特に注目されるのは、大企業の景況判断指数のヘッドラインです。特に、株式市場において重要視されています。

日銀経済・物価情勢の展望(展望レポート)

年4回(通常1月、4月、7月、10月)の政策委員会・金融政策決定会合において、先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を決定し、公表しています。

貿易統計(月次・四半期毎)

普通貿易統計は、我が国から輸出された貨物、又は我が国に輸入された貨物について、金額及び数量を品目別、国(地域)別等に示した統計です。一般に「貿易統計」と言えば、この普通貿易統計をいいます。財務省が公表しています。特殊貿易統計は、①金貨及び貨幣用金についての金統計、②積み込まれた船用品及び機用品についての船用品・機用品統計、③本邦を通過する外国貨物についての通過貿易統計の3つにより構成されています。 貿易統計の詳細については以下のリンクから取得可能です。 https://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm

国際収支関連、対外・対内直接投資、証券投資

財務省が公表しています。国際収支は為替取引を行ううえでは、非常に大切な統計資料です。直接投資動向や証券投資動向は為替取引も伴うために注視している為替トレーダーは多いです。過去データは以下のリンクから取得可能です。 https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/data.htm

消費者信頼感(内閣府)

内閣府は、必要な情報を収集するために、政府の施策に関する皆様の意識を把握するため、世論調査を実施しています。調査は、全国から統計的に選ばれた数千人の方々を対象に、調査員が訪問して、対象の方から直接聞く方式又は調査票を対象の方に郵送し、回答を記入した調査票を返送してもらう方式で行っています。調査に参加することで、回答者は所得の伸び、消費者の幅広い生活に対する印象、雇用、耐久消費財の購入準備に関わる質問に答える。消費者信頼感指数は、これら4つの分野ごとに指数が作成され、これらの消費者認識指数の単純平均を表しています。

鉱工業生産(経産省)

経済産業省が発表する鉱工業生産は、日本の産業部門に属する企業がどれだけの生産高をあげているかを示すもので、鉱業、製造業、公益事業などの部門が含まれます。国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向を捉え、また、生産の先行き2か月の計画を知ることができます。

AUじぶん銀行日本PMI(*民間の経済統計)

金融情報調査会S&P Global(IHSマークイット)との提携によりPMIを「auじぶん銀行日本PMI」として提供しています。実質、HISマークイットの統計である。S&P Globalの1部門であるHISマークイットは世界各国で購買担当者景況感指数を提供している。日本でも他国同様に景況感指数を毎月発表しています。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/ReleaseDates?language=en

景気ウォッチャー調査

内閣府が毎月実施している街角の景況感調査です。調査対象は景気動向を肌で感じることができる立場にある人を「景気ウォッチャー」に任命し、質問による調査を行っています。景気の現状(2~3ヶ月前との比較)や先行き(2~3ヶ月後)に対する判断(方向性)とその理由について5段階評価で聞き、指標化しています。調査は毎月25日から月末までの期間に行っており、翌月第6営業日発表されています。 金融政策動向は為替市場に大きな影響を及ぼします。

日本銀行の金融政策会合

日銀法において、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。物価の安定が大切なのは、それがあらゆる経済活動や国民経済の基盤となるからです。日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしている。より詳細な内容は「金融政策運営の枠組みのもとでの『物価安定の目標』について」※1(2013年1月22日公表)を参照のこと。また、日本銀行は、2013年1月に、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」※2を、政府と共同して公表した。 ※1  https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2013/k130122b.pdf ※2  https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2013/k130122c.pdf
日本銀行は、2016年9月の金融政策決定会合において、「量的・質的金融緩和」導入以降の経済・物価動向と政策効果についての総括的な検証 ※3 を行い、その結果を踏まえて、金融緩和強化のための新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました(「金融緩和強化のための新しい枠組み:『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』」※4(2016年9月21日公表))。 ※3  https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/transparency/rel160930d.pdf ※4  https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2016/k160921a.pdf

金融政策会合のスケジュール

日本銀行の金融政策の基本的な方針は、政策委員会の金融政策決定会合で決定されます。 金融政策会合は、年に8回、2日間かけて集中的に審議を行い、金融政策の方針を決定している。議決は9名の政策委員(総裁、2名の副総裁、6名の審議委員)による多数決によって行われます。 日本銀行では、金融経済情勢についての詳細な調査・分析に加え、金融政策手段や運営方法に関する研究や金融制度の調査など、金融政策にかかるさまざまな調査・分析、企画・検討を行い、金融政策決定に活かしています。 ●2023年4月には、先行きの金融政策運営に関する方針を改めて整理・明確化しました(「当面の金融政策運営について」※5)。 ※5  https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2022/k221220a.pdf ●2023年7月には、経済・物価を巡る不確実性がきわめて高いことに鑑み、上下双方向のリスクに機動的に対応していくことで、長短金利操作の枠組みによる金融緩和の持続性を高めるため、長短金利操作の運用を柔軟化することを決定しました(「当面の金融政策運営について」 ※6 )。 ※6  https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k230728a.pdf ●こうした対応を含め、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとでの決定事項等は、「金融政策に関する決定事項等」からご覧いただけます。

市場が注視している点

世界的なインフレ傾向は日本国内でも数字として表れていますが、日本銀行は金融緩和を継続してきました。(2023年10月19日時点)イールドカーブコントロール(YCC)による長期金利のターゲット上限がどのタイミングでどの程度引き上げられるのか、もしく撤廃に動くのか、について市場は注目しています。TCCの撤廃に合わせて、マイナス金利からの正常化(短期金利上昇)についても大いに注目されています。
先進国の中央銀行のなかで、ゼロ金利どころかマイナス金利を継続しているのは、日本銀行だけです。日本の超低金利政策によって、為替取引(円キャリー取引)を通じ、世界中に流動性を供給しているとの指摘もあります。
もし、日本銀行がゼロ金利解除に動くようであれば、円安、株安、債券安が想定できます。日本銀行の金融政策については、各理事のコメントにも要注意です。これらの先行経済指標を調べることで、投資家は日本経済を効果的に調査し、より良い情報に基づいた円取引を行うために必要な情報を得ることができます。
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