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移動平均線とは〜FXとCFDで使えるテクニカル分析

移動平均線は一定期間の平均価格を算出し連続したグラフとしてチャートに表示することでトレンドの方向性と売買タイミングを視覚的にわかりやすく示すテクニカル分析のひとつです。この記事では移動平均線の基礎と計算の他、売買サインの読み取り方や移動平均線を使った取引の実例などを交え実際の相場で使いこなせるようになるまでを解説します。

Article By forex.com
2024年2月8日 午前10:54

目次

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

テクニカル指標として1番メジャーなものといえば移動平均線が挙げられます。Moving Averageと英語表記されMAと略して表示、発音します。

一定期間の価格の平均値を算出し折れ線グラフで表すことにより一目で価格の方向感を掴むことができる補助ツールです。

移動平均線は何を見るものか

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

移動平均線は指定した期間の平均価格の推移を見るためのもので、今の価格がトレンドなのかレンジなのかを見た目で判断します。上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンド、横ばいであるならばレンジとそのまま判断します。

移動平均線で何がわかるのか

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

移動平均線では、ローソク足と移動平均線の位置関係で今は買いが優勢なのか、売りが優勢なのかを判断できます。また位置関係に加えて両者がどれくらい離れているのかでエントリータイミングを精査することにも役立ちます。
移動平均線には基準にする価格や重視する期間によっていくつか種類があります。またよく使われる期間もありますので合わせてご紹介します。

移動平均線の種類と見方

ここでは移動平均線の中でも代表的な4つの移動平均線について解説します。
特に代表的な2つの移動平均線については違いがわかるように10日間の価格を基にしたそ
れぞれの5日移動平均線の計算式と一緒に確認してみましょう。
10日間の値動きを以下のように仮として設定します。
単純移動平均線(SMA)

指定した期間の価格の平均値を単純に計算するもっとも標準的な移動平均線で、一般的にMAといえばSMAを指すことが多いです。指定した期間のすべての価格を平等に扱うため大まかな流れを確認することに向いています。

SMAは「Simple Moving Average」の頭文字をとった略称です。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足9月19日取得

単純移動平均線の計算式は以下の通りです。
指数平滑移動平均線(EMA)
指定した期間の価格の平均値を直近の価格を重視して計算します。SMAではすべての期間を平等に扱うのに対して、EMAではより直近の価格が未来の価格により影響を及ぼすと考えたものです。SMAと比べてみるとEMAの方がより直近の価格に敏感に反応していることがわかります。デイトレードなど直近の価格を重視して取引したい場合に向いています。 EMAは「Exponential Moving Average」の頭文字をとった略称です。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

指数平滑移動平均線の計算式は以下の通りです。
平滑移動平均線(SMMA)

EMAがSMAよりも敏感に反応するように計算されているのに対して、SMMAはSMAよりも鈍感に反応するように計算されます。他の移動平均線よりもトレンドがしっかり出てからシグナルが出るので長期投資で使用するのに向いています。

SMMAは「SMoothed Moving Average」の頭文字をとった略称です。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得
線上加重移動平均線(WMA)

EMAと同じように直近の価格を重視して計算されますが、古い価格に対する比率のかけ方を指数ではなく線上に減らしていくためEMAよりも直近の価格に敏感に反応します。そのためほかの移動平均線よりもシグナルの「ダマシ」は多くなりますがスキャルピングなどの超短期取引では有効に機能する場合もあります。

WMAは「Linear Weighted Moving Average」の頭文字をとったもので、LWMAと呼ばれることもあります。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

移動平均線のパラメータ設定

移動平均線はその期間を変更して計算式をカスタマイズしたり、線の色や太さなどを変えることもできます。

移動平均線の計算期間は任意の期間で設定できます。例えば短期間の平均として3日間の移動平均線も表示できますし、長期間の平均として300日間にも設定できます。分析したい時間軸によって変更できるので自由度が高いのが特徴です。

よく使われる数値とその意味

移動平均線にはよく使われる設定値というものがあります。短期なら25日移動平均線、中期なら75日移動平均線、長期なら200日移動平均線が一般的です。

これは株式取引の頃の名残で1ヶ月に取引できる日が平均25日間(月曜から土曜までの週6日間を4週間)だったことから1ヶ月の平均値として短期間の目安とされています。75日はその3倍で3か月間(四半期)、200日は1年間の平均取引日数を表しています。

現在では土日の取引ができないので平均値を減らして20日移動平均線や21日移動平均線を好んで使うトレーダも多く存在します。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

線の色や太さの設定

移動平均線の色や太さは自由にカスタマイズすることができます。ご自身が使うチャートの配色に合わせて使いやすいように変更して使用しましょう。
移動平均線は取引するスタイルや時間軸によって参考にする期間が異なります。また、移動平均線を複数本使ってエントリータイミングや決済タイミングの目安にする方法もあるので詳しく見ていきましょう。

時間軸と取引スタイル

エントリー後のポジションを持つ期間の長さで参考にする移動平均線は変わってきますし、確認する時間軸も変わります。

長期の相場分析

長期の相場分析は200日移動平均線を使用します。1年間の相場変動の大まかな方向を知ることができ、どちらの方向へ優位性があったのかを確認できます。1年近くポジションを保有するキャリートレードだけでなく、スワップ狙いの長期保有などを行う際も長期の相場分析を行っておくことでキャピタルゲインを合わせて狙うこともできるでしょう。

中期の相場分析

中期の相場分析には75日移動平均線を使用します。3か月単位の相場変動を知ることができるため、トレンドフォローを行う際には必須の分析となります。数週間から数か月程度ポジションを保有するスイングトレードでは基本的にトレンドを追いかける必要がありますので必ず確認をしましょう。

短期の相場分析

短期の相場分析には25日移動平均線を使用します。直近25日間の値動きの平均値を取りますので動きは激しく細かくなります。数時間から数日間ポジションを保有するデイトレードを行う場合は直近の値動き動向が重要ですので短期間で分析をしてトレードに挑みます。

組み合わせて使う

デイトレードだからといって短期の移動平均線だけで分析をしていては信頼度は高くありません。中期や長期の移動平均線を組み合わせて確認することで精度は格段に良くなります。例えば長期の移動平均線のトレンド方向へ短期の移動平均線が揃ったときなどは大きなチャンスとなるでしょう。

2本の移動平均線を使った取引タイミング

移動平均線を組み合わせて使う方法の中に、取引タイミングを明確に伝えてくれるものがあります。それが長期と短期の2本の移動平均線の交差(クロス)を使った手法です。

ゴールデンクロスによる買いタイミング

ゴールデンクロスとは短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けたタイミングを指します。ゴールデンクロスが発生したタイミングはローソク足は移動平均線の上に位置し長期と短期の移動平均線の方向も揃う絶好の買いポイントです。買いの方向に価格が伸びやすい条件が揃っているため利益を上げやすい手法と言えます。

ゴールデンクロスのポイントは長期の移動平均線が上向きになっている状態で発生することです。長期移動平均線が下向きのときに発生したゴールデンクロスは、ひとつ目のポイントのようにすぐに上昇しないことが多く信頼度が低くなりやすいので注意が必要です。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

デッドクロスによる売りタイミング

デッドクロスとはゴールデンクロスとは逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ突き破ったタイミングを指します。デッドクロスが発生したタイミングはローソク足は移動平均線の下に位置し、長期と短期の移動平均線の方向も揃う売りが有利なポイントです。売りの方向に価格が伸びやすい条件が揃っている利益を上げやすい場所と言えます。

デッドクロスのポイントもゴールデンクロスと同様に、長期の移動平均線が下向きになっている状態で発生することです。長期移動平均線が上向きのときに発生したデッドクロスは価格がすぐに下落しないことが多く信頼度に欠けます。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

決済の考え方

この2つのエントリー手法は決済に利用することもできます。決済のタイミングはゴールデンクロスやデッドクロスの条件が崩れたときに行います。

ゴールデンクロスでエントリーした場合は、上抜けていた短期移動平均線が長期の移動平均線を下側へ抜けてしまったときに、デッドクロスでエントリーしていた場合は、下抜けていた移動平均線が長期の移動平均線を上側へ抜けてしまったときです。

単純でわかりやすいですが比較的勝率が高く利益を上げやすいのでまずは試してみましょう。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得
直近のチャートを使って実際にどのような場面で移動平均線を使って取引ができたのか解説していきます。

ドル円チャート解説

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月19日取得

2017年からレンジ傾向だったドル円(USDJPY)は、2021年1月17日より始まった上昇により価格は長期の200日移動平均線を上抜け。遅れて3月3日にゴールデンクロス(200長期移動平均線を25短期移動平均線が下から抜いた)が完成し上昇トレンドを確実なものにした。その後2022年12月28日のデッドクロスが発生するまで1年7か月に渡りトレンドを形成し続けた。

トレンドの途中で横ばいの期間が続き利益確定をしたい場面も何度か訪れているが、移動平均線のクロスのみを判断シグナルにデッドクロスするまで保有をしていた場合、2,600pips(26円)もの値幅を獲得したことになる。
FXだけでなく移動平均線はCFD取引でも有効に活用できます。直近のチャートを使ってどのような場面で取引ができたのか解説していきます。

日経225チャート解説

出所:FOREX.com/日経225CFD/日足/9月19日取得

コロナウイルスの影響により株価が大きく下がっていた2020年前半から大きく反発した日経225CFDはそのまま長期の200日移動平均線を上抜け。少し遅れて下向きだった長期移動平均線が横ばいになったタイミングで短期の25日移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜けゴールデンクロスが発生。この動きがトレンドを後押しし、2021年8月3日にデッドクロスが発生するまで1年2か月に及んで価格は上昇を続けた。

移動平均線のシグナルに従っていた場合、当時の価格の20%近い上昇を根こそぎ獲得できたことになる。
移動平均線は過去の価格の平均値を計算して折れ線グラフで表したものです。そのため移動平均線は買った人が多ければレートは上昇し移動平均線は上向きになり、レートは移動平均線の上側に位置します。逆に売った人が多ければその逆となります。つまりその期間内に相場に参加し取引をした人達がどちらを多く取引したかが大まかにわかるのです。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足9月19日取得

移動平均線の傾きやローソク足との位置関係は、そのときどきの相場参加者の大まかな総意を表し、どちらのポジションを持った人が多いのかを視覚的に見ることができます。移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下落トレンドが発生することになるので、その方向に準ずることが勝率を上げる方法とも言えるでしょう。
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